Bolognese

ボロニーズのスタンダード

FCIとUKCの公式の文書で、ボロニーズがどのように定義されているか調べて、訳してみました。

ボロニーズのスタンダードということにつては、いろいろな考えがあると思います。ブリーディングをしていくうえで、スタンダードがひとつの大切な基準となり、その基準を守っていくことで、犬種としての秩序や質などを守っていこうとするということがブリーディングの基本であることもよく理解できます。

しかし、ボロニーズについての、最近の傾向を見てみると、それだけではうまくいかないのではないのではかと考えます。ボロニーズは、絶滅の危機を経験し、その中からボロニーズを愛する人たちの労苦でかろうじて守られてきた犬種ですのです。そのため限られたラインでのブリーディングが余儀されなくなされてきました。その結果として世界を見回しても、大きさは一概に語れず、小さくて3kgくらいから、大きくて10kgくらいまでの幅があります。スタンダード基準より小さい子や、スタンダード基準よりも大きい子は、ボロニーズではないのかというと、私は、決してそんなことはないと思います。ご家族の一員となっているボロニーズが、もしこのスタンダードに合わないところがあっても、それはあまり気にすることではないと思うのです。

わざわざこのように記すのも、今のボロニーズの世界的なブリーディングの傾向を見てみると、実際はスタンダード基準からやや大きめの子が多いのに対して、スタンダード基準へ戻そうとする試みがなされる傾向にあります。そのため、たとえば上あごと下あごのサイズが崩れてしまい、歯の本数が、あごの骨格内に収まらず、歯並びが悪くなったりします。また、世界で行われているチャンピオンシップショーのボロニーズの基準を見てみても、歯の本数よりも歯並びとか、尾曲がりは欠点にならない等、先天的な欠歯や尾曲がり等が認められているような状況があります。

このような状況を見ていると、スタンダードにあまりに束縛されるよりも、スタンダードをひとつの大切な基準としながら、何よりも元気ですこやかなボロニーズが生まれてくることが大切であると考えます。そのため、どのようなカップリングで交配をしていくか、ということなどをきちんと考えていかなければならないでしょう。スタンダード基準に適合しているかどうか、ということも大切ですが、種雄・台雌それぞれが、その個体として健康であること、そして、三代祖や同胎・兄弟まで遡って、先天性疾患などがみられないこと、などが大切です。

しかし、スタンダードはボロニーズという犬種を理解するためにも、ひとつの大切な参考になるものです。もし誤訳などあったら教えてくださいね。

FCIによって定められているスタンダード(ボロニーズ)

FCIというのは国際畜犬連盟のことです。これは畜犬団体(ケネルクラブなど)の国際的な統括団体です。本拠地はベルギーのトゥアン(Thuin)にあります。この連盟の設立目的は、優れた健康状態や体力的機能を持つ純粋種の犬が生み出されるようにと推進すること、また、そのための情報交換などでです。現在加盟国及び地域は80です。全部で335種を数える犬種はそれぞれの国が担当しており、それぞれの担当国は種の定義を決めている。FCIはその翻訳と更新を担当。定義と国際基準は英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の4カ国語で発行される。審査はその基準に基づき行われています。

FCIにおけるスタンダード(ボロニーズ)

原産国 イタリア
用途 コンパニオンドック
簡潔な歴史の要約 その起源は、マルチーズの起源と混同されている。なぜならば、その遠い先祖は、アリストテレス(B.C.384-322)のラテン語の文書において「canes maelitenses(白い犬)」の名称のもとで言及されている、同じ小さな犬たちである。既にローマの時代に知られていたように、ボロニーズは、世界の有力者たちによって、この時代を通してなされた、非常に感謝される贈り物のなかで、もっとも特別なものであったようである。コジモ・デイ・メディチ(1389-1464)はブリュッセルに少なくとも8頭のボロニーズを、多くのベルギーの貴族たちへの贈り物として、送った。1556年から1598年までスペインの国王であったフィリペⅡ世は、エステ侯爵から贈り物として2頭のボロニーズを受け取った後、送り主に「この2頭の小さな犬は、人々が皇帝に送ることができる、最も素晴らしい贈り物だ」と言って、手紙の中で感謝している。ボロニーズは、ティツィアーノやピーテル・ブリューゲルのle Vieuxと呼ばれる絵や、ゴヤの絵に描かれている。
全体的な外観 小さなサイズで、ずんぐりして(小柄でもたくましくて)、コンパクトで、純白でながく、ふわふわしたコートに覆われている。
重要なプロポーション スクエアで、体の長さと、肩胛骨の間の隆起での高さが等しい。
気質や習性 非常に物静かで、普通はあまり活動的ではない。冒険心に溢れ、おとなしく従順で、飼い主とその周囲の人々に、非常に寄り添う。
頭部 中程度の長さで、背峰(肩胛骨と肩胛骨の間にある出っ張り)の高さの三分の一に届く。幅は、頬骨のアーチのレベルで計って、その長さと同程度である。
○前頭部と鼻口部の間のくぼみ
ある程度はっきりしている
○頭蓋部
頭蓋骨は(矢印方向に)わずかに卵型の形をもち、その上部でやや平坦で、ある程度でこぼこの側面があります。全額骨の隆起はよく発達している。頭蓋骨の縦の軸とマズルは平行で、正面の溝はわずかに強調されていて、後頭骨の隆起はわずかに目につく。頭蓋骨の長さはマズルの長さよりわずかに長い。
顔面部 ○鼻
マズルのトップラインと同じ線上にあり、側面から見て、その前面が垂直にある。大きく、黒くなければならない。
○マズル(鼻口部)
マズルの長さは頭部の2/5の長さと等しい。マズルのトップラインはまっすぐであり、サイドは平行であり、マズルの前の部分は、ほぼスクエアである。その下の眼窩部は十分輪郭がはっきりしてる。
○唇
上唇が高さにおいてよく発達しているので、下唇を覆うことはない。そして、マズルの下の部分の輪郭は下顎によって決定される。
○顎
上顎と下顎のアーチが完全に適応している状態で、正常に発達している。
○歯
強さと完全な歯列を持ち、白く、均等に並んでいる。切歯のかみ合わせは、ハサミのようであり、ペンチのようなかみ合わせは許容される。
○目
ほとんど正面の面に置かれ、十分に開いている。大きさは普通程度であるほうが良い。まぶたは丸く開いており、眼球は特出していてはならない。白目は見えない。まぶたの外周ははっきり黒く、焦げ茶色の(虹彩)でなければならない。
○耳
高い位置にあり、長くて、垂れ下がっている。その付け根の部分は、ある程度堅い。そのため、外耳の上の部分が頭蓋骨から離され、頭の印象は、実際より大きいものである。
喉袋は持たず、その長さは、頭部の長さと等しい。
この犬種は、スクエアの構造を持ち、体の長さ(肩の所から尻骨までを計ったもの)は、肩胛骨の間の隆起部分で計った高さと等しい。
○上部の輪郭
背中のまっすぐな輪郭と、腰の輪郭は、わずかに凸状であり、臀部のラインへと調和的に次第に移っていく。
○肩胛骨の間の隆起
上部のラインから、あまり突出していない
○胸
広く、肘のレベルまで下がってくる。十分しなやかなあばら骨を持ち、その高さは、肩胛骨の間の隆起の高さの、ほぼ半分に達する。
○胸部
胸骨の先がすぐわかる。
○臀部
ごくわずか傾いており、とても広い。
○下のライン
下のラインは、胸骨の輪郭に従っており、わずかに腹部へと膨らんでいる。
○しっぽ
臀部のラインにあり、背中の上へとカーブしている。
四肢(手足) ○前駆部
全体的に、完全にまっすぐで、体の中心平面との関係で、平行である。
○肩
肩のブレードの長さは、肩胛骨の間の隆起の高さの4分の1に等しい。水平面に対しては傾斜しており、体の中心平面に対しては、垂直である。その動きにおいて十分に自由である。
○上腕
十分に体に結びつけられ、肩とほとんど同じ長さで、しかし、傾斜していない。
○肘
体の中心平面に対して、平行した平面にある。
○前腕
その長さは、上腕の長さに等しい。完全に垂直な方向に伸びる。
○踵の関節と踵
前から見て、前腕の水得なラインをそのまま引き継ぐ。横において見るとき、踵はほんの少し傾いている。
○前足
楕円形で、十分クッションのきいた濃い(黒い)パッドと、非常に堅い黒い爪を持っている。
○後駆部
全体的に見て、そして後から見て、臀部の骨から地面へと完全に垂直なラインになっていなければならない。お互いには平行である。
○上腿部
その長さは、肩胛骨の間の隆起での高さの3分の1に等しい。上腿部は、上から下に、そして後から前へと傾斜しており、体の中心面に対しては、完全に平行である。
○下腿部
下腿部は上腿部よりも長い。
○膝
脛骨と足根骨の角度はあまり狭くはない。
○両膝
膝の高さから地面までの距離は、肩胛骨の間の隆起の高さの3分の1よりわずかに少ない。
○後足
前足と同じ特性を持つが、楕円率は少ない。
歩き方・動作 気高く、威厳のある頭の姿勢をして、自由で活発に動く。
皮膚 十分にピンとしており、あらゆるところで体にしっかりとついており、目に見える粘膜や第三瞼は黒く色素が入っている。
コート(毛質) 体全体を、頭からしっぽまで、トップラインから足まで、すべてを長く覆っている。マズルにおいては、少し短い。フワフワしており、平らに寝てはしまわず、決して房飾りを作らない。
どのような斑点も、白さの陰影もなく、純粋な白。
サイズと体重 肩胛骨の間の隆起における高さは、牡で27~30cm、牝は25~28cm、体重は2.5~4kg
不備 前述の諸点からのあらゆる逸脱は、ジャッジにおいてその深刻さや程度によってペナルティーを与えられなければならない不備である。斜視についても同様である。
○深刻な不備
上の縦軸の目立った集合、もしくは拡散。凸凹のマズル(鷲鼻)、顎が突き出し異常、すなわちマズルの外観が、サイドで牡の場合、22cm未満か33cm以上となっている、牝の場合、22cm未満か32cm以上となっていること。
○不適格とするところの不備
アンダーショットの口、鼻の色素脱失、白以外にも他の色の鼻、左右の瞼の色素脱失。しっぽが無いこと。自然にか、人工的にか短くされたしっぽ。白以外の他の色、斑紋や斑点。
注記 牡は、見たところで正常な、そして陰嚢の中に十分降りてきている、二つの睾丸を持っていなければならない。

UKCによって定められているスタンダード(ボロニーズ)

歴史 ボロニーズは、コンパニオンドックのうち、古いビションタイプのひとつである。この犬種はボローニャのイタリアビションとして言及され、そこからボロニーズという名前が採用された。ボロニーズは非常に魅力的で友好的なトイタイプである。
ボロニーズは、Unitede Kennnel Clubによって、1995年1月に公認された。
全体的な外観と特徴 ボロニーズはがっしりとした、小さな犬である。とても利口で、学習も早く、飼い主に対して献身的である。人に喜びを与える性質を持ち、素晴らしい子どもたちの遊び相手でもある。
頭と頭蓋部 中程度の長さの頭は、体のサイズに比例している。前頭部と鼻口部の間の凹みは、適度なものである。 あまり長くない長さのマズルは、狩猟犬を示してはいない。唇と鼻は、絶対的に黒くなくてはならず、他の色はゆるされない。
十分に生えそろった、強さを持ち、白く、ハサミのようなかみ合わせで上下が噛み合っている歯が、好ましい。水平なかみ合わせは許容される。上に6本、下に6本の門歯であることが好ましいが、より重要であるのは、犬歯の間で、偶数で、なめらかなラインで門歯が生えそろっていることである。その犬のサイズが、門歯の数をしばしば決定している。
目は、十分に開き、標準より大きなサイズでなければならない。目は丸く、黒い。
目の縁の色素は黒い。その目の表情は、生き生きとした知的な犬のものです。
鼻の色は黒くなければならない。他の色はゆるされない。
中程度の長さで、垂れ下がった耳は、頭部の高くについている。その上の部分は頭蓋部から少し離れてあるので、頭に広い外観を与えている。
首は、その犬全体の外観に優美なバランスを与えるのに十分な長さである。
前駆部(前脚) 前脚はゆるやかな角度を持っている。前脚は十分に骨が発達している。
スクエアの全体の外観が最も好ましい。しかし、わずかに長方であることは許容される。体はがっしりと見えるべきである。トップラインはまっすぐである。胸部は、十分にしなやかである。
後駆部(後脚) 後脚はゆるやかな角度を持っている。後脚は十分に骨が発達している。
しっぽ しっぽは背中の上でカーブしている。しっぽは、巻き毛で長い毛を持っている。
コート 毛は、長く、巻き毛で、体に対してペッタリ倒れてしまっていることはない。巻き毛が頭、体、四肢の全体を覆っており、前頭部においてのみ短く見える。しっぽは、巻き毛に覆われている。 コートは、足の裏のまわりをきちんとするため、また衛生上の目的を除くトリミングをせず、自然な長さとする。
白が条件を満たしている色である。シャンパンカラーは、遺伝子における強い色素着色を示すので、子犬において許容される。成犬は、耳の、時には背中の、シャンパンカラーの小さな斑紋は不備とされないが、白い犬の全体の外観を示さなければならない。
失格条項:先天性白色症
背の高さと体重 肩で計った高さが、牡で10インチ(25.4cm)~121/2インチ(31.75cm)、牝で9インチ(22.86cm)~12インチ(30.48cm)。 体重の平均は8~14ポンド(約3.6~6.4kg)。この体重の中間、体高の中間が最も望ましいと思われる。
歩行 前足は、肩から、自由に、まっすぐ前に動く。後足は一本のまっすぐなラインに向かって集まってくる。ジャッジは歩行している間に、背中の上にしっぽが来ていることを見なければならない。
失格条項 片方、あるいは両方の停留睾丸。極度の意地悪さや臆病。アンダーショットの噛み合わせ。オーバーショットの噛み合わせ。鼻、唇、目の縁における、良い黒い色素の欠如。先天性白色症。成犬におけるまっすぐなコート。

子犬のご予約を希望される方は、まずはお問い合わせください。

Contact